Description
着物の種類について
全体に細かい柄を施した、赤とクリーム色を組み合わせた小紋の着物です。
小紋とは…
全体的に小さな模様が描かれている和服のことを指します。付け下げと同様に、洋服では「オシャレ着」に相当しますが、着物の格としては付け下げより下になります。基本的に普段使いの外出着として着られますが、紋付の江戸小紋であれば、訪問着と同じく準礼装として扱われます。多種多様な柄があるため、色々コーディネートが楽しめます。
小紋の特徴は…
同じ模様が同じ方向に繰り返し施されているのが特徴です。遠目では無地に見えても、近くで見ると細かい柄が入っている緻密なものもあります。代表的な柄として「江戸小紋」「京小紋」「加賀小紋」が挙げられますが、その中でも特に「江戸小紋」が有名で、鮫肌のような細かいデザインの「鮫(さめ)」、細かいドット柄の「行儀(ぎょうぎ)」、小さな正方形を縦横に連続して配置した「角通し(かくどおし)」などがあります。他に植物や幾何学、文字、動物、縁起物、生活用具などをモチーフとした模様も多く見られます。
着物の柄について
① 紅葉
通年使うことができます。主に、春・秋に向きます。楓と紅葉は同じ植物で、楓の葉が色づいたものが「もみじ」です。色付く楓の葉を愛でるようになったのは、紅葉を見て夏に疲れた体に生気を取り込もうとする中国の思想が伝わったからとの説があります。
② 菊
通年使用できます。主に秋に向いてます。奈良時時代から平安時代にかけて中国から伝えられた菊は、長寿を象徴する代表的な植物です。実際に菊には抗菌作用があり、菊膾や菊酒などに用いられます。日本でも宮中で9月9日に菊酒を飲むのが定着しました。日本の文化に根付いた菊は、秋の花として愛でられるようになりました。
③ 雲
昔の人は不思議な雲に、神や霊が宿っていると考えました。雲から万物が形成されたとされ、空に漂う雲を「雲気」や「瑞雲」と名付け吉祥とみなしました。日本でも飛鳥時代にこうした中国の影響を受け雲は様々な意匠に使われました。時代に合わせて形を変え、雲の瑞祥性は薄れましたが、雲の形は現代も着物や帯に生きています。